583系を追ってふたたび。東北大陸を駆け抜ける旅(part1)




近年徐々にその数を減らしてきている東日本の583系だが、ついに青森にも 「はつかり」用新型電車が投入されることになり、余剰となる485系電車によ り臨時で活躍する583系にも終焉の時が訪れそうである。とは言っても寝台に も使え、TDL臨などで今後も一部は活躍を続けると思われるが。
「はつかり」からの引退ということは即ち昼行列車としての姿を見る機会を失 うことになり、調査などさらに困難を極めることになりそうなので急遽この休 みを利用して臨時「はつかり」に活躍する583系を追いかけることにした。
ただ、運転の都合上中1日空いてしまうので、その日は直江津で近郊型改造車 として唯一残る419系にも未調査が残るのでこちらも出向くことにした。本当 なら富山とか敦賀辺りの方が効率がよいのだが、JR東日本区間という制約があ るので致し方ない所である。

4/29

前日の晩に慌てて整えておいた身支度を済ませ、外に出ると雨が上がった所。 天気はこれから回復に向かいそうでなによりである。ただ、もうすぐ5月とい うのにこの寒さは何だろう。晴天になれば気温もあがろうが、これから向かう のは本州の北のはて、果たしていつもと変わらぬ服装で寒くないかいきなり不 安になってしまった。
始発から乗り継いで東京に6:20着。電車乗り継ぎではこれ以上早く着くことは できない。GoGoフリー切符をちゃんと認識できる自動改札(切符のサイズも対 応サイズになり、かつJRの文字も偽造防止の為か特殊印刷になった)を抜け、 23番ホームに向かうと、まだ発車30分前というのに、「やまびこ・こまち1号」 の自由席には長蛇の列ができていた。
この列車が混むのはある程度予想できたし、GWの初日でもあるのだが、すでに これだけの列ができていようとは思わなかった。
しかし、仙台から先のことと、盛岡での撮影のことを考えると50分後の3号ま で待つのはちょっとためらった。(それにそれでは始発で来た意味が。)
結局座ることはできず、洗面所の所で立つことに。東京出発時点で自由席は110% の混み様である。
当然のことながら上野、大宮とさらに人が増え、130%くらいに。時間の制約が あるとは言え、東海道新幹線でも味わったことがなかった。せめてこの時期だ けでも仙台止まりのを盛岡まで延長してもらえないものか。
で、結局仙台で人は降りるどころか、さらに混んで160%くらいに。まさか500km 立ちっぱなしになるとわ思わなかった。275km/hという山陽「のぞみ」の次に 速い(500系の300km/hと700系の285km/hがあるので実は3番目)速度でひた走っ て盛岡に到着。「やまびこ」は人を一気に吐き出し、そして「こまち」はさら に先を目指す。しかし、需要がそれだけあったのか、人気を呼んだのか、こま ちの混雑は6両になっても凄まじい。まずは改札を出て喫茶店で小休止。早起 きに予定外の立ちづめでいきなり疲れた体を休めないと。。。
小休止の後ホームにでて「はつかり105号」の回送の到着を迎える。
見慣れたクリームとブルーの車体を懐かしみながら撮影をひとしきり行ってか ら乗り込む。駅のアナウンスが「はつかり105号」の運転を乗客に促している。 先発の「はつかり5号」が札幌行で混むからであろう。実際見てみると先ほど の新幹線と変わらぬ程デッキまでぎっしりと人が乗り込んでいた。青森まで先 を急がぬ人はもう105号の方に乗り込み始めていた。
座席の583系に乗るのは97年夏以来、でも昔と変わらぬ車内は健在であった。 モケットと仕切のカラーは変わったが、未更新車にはべネシャンブラインドも 残っている。あとサニタリーも洗面所の数を2つに減らしたりしながらアコモ の改良がなされている。
定刻になり、発車、たちまち100km/h近い速度まで上げて疾走する。重くどっし りとした583系特有の揺れ、細かな微振動(ピッチング)、そして車内調度の関 係でカタカタ音を起てるのも583系の特徴である。また今回も味わうことができ た、なんとも言えない嬉しさがこみあげる。最近はこれが最後かもしれないと 思いつつ乗っているので感慨も深い。乗客は各ボックスに2〜3人、6割程の 乗車率はまずまずと言った所か。
盛岡を出てすぐにすれ違う「はつかり10号」は485系であった。最近はこの列車 に代行として583が多客期を中心に入るので確認が必要なのであった。残念。
ところが、二戸を出てすぐにすれ違ったのはまぎれもなく583系の回送、「え?」 と思ってダイヤを見ると、今日は設定されてないはずの109号の回送のスジであ る。特発だったのだろうか?未更新車であることだけはたまたまビデオを回し ていたので確認できたが、1本確認しそこねたのは残念である。もっとも、こ の列車に乗っていなければわからなかったことなのだが。
乗客は停車するごとに減っていく。臨時のせいか、それとも5号が函館直通だ けで一杯だったからか、近距離客はこちらに乗り込んでいたようだ。
天気はこちらでは晴天、どこかで撮影に切り替えたいほどの天気である。
またこちらは春はやっと芽吹いてきたところで、桜や桃?などが綺麗なのもちょっ と悔しいところである。来春のこの時期に「はつかり」が583系で運転されてい る可能性はゼロに等しいであろう。「最後の春」そんな言葉が脳裏を過ぎった。 何事もなく、列車は淡々と走り、青森が近づいてくる。何事もなくこれからも 続くみたいに。しかし、それはかなわないかもしれない。
野辺地を過ぎ、右手に青森湾を眺めて走る。思えば浅虫温泉辺りで青森湾を背 景に撮影した写真を見て、自分もいつかはと思いつつ達成できぬまま今までき てしまった。今回もそれはかなわなかった。このままでは達成できないうちに 583系は消えてしまうかもしれない。
左手には前回は雨雲で見られなかった八甲田山系が残雪に輝く見事な眺めを見 せ、やがて東青森のヤードをかすめると入線待ちで一旦停車したのも愛敬に無 事青森に到着した。


青森に着いた「はつかり105号」

さて、今回の撮影行にあたり、青森運転所に不案内な私は、事前に(直前に^^;) 青森在住の方に掲示板を通して情報をお願いしていた。その結果こうさんに案 内をしていただくことになり、撮影で遅くなりながらも西口で無事合流できた のだった。(遅れてすみません>こうさん)
さらに自転車まで貸していただけることになり、感謝の念に絶えない。
こうさんの案内で線路づたいに行ける所はいきつつ、途中住宅街の中を抜けた り、国道を渡ったりしながら7号バイパス?の陸橋に出ると青森運転所が右手 に広がっていた。ただ、ここに見えるのは客車が多く、14,24,50系のブルーの 車体が編成またはバラで横たわっていた。その中に1本だけ先ほど「はつかり 105号」で青森まで一緒にやってきた583の姿が見える。
ここは客車ばかりで(485の廃車保留のサロ481の姿と、先頭1両だけ見えない 485系訓練車の姿も見えるが)電車は更に北の陸橋寄りにいるということなの でそちらに向かう。ただ、運転所の西側のすぐ脇を走る道が工事中で通れない ので、造成地を更に迂回して国道バイパスを大回りすることになった。
貸していただいた自転車の機動力のなんとありがたいことか。
今回の手はずを整えてくださった盛アオさんが書かれていたフェリー乗り場 へ向かう道の運転所を越える陸橋を上がると、そこに485と混じって583の姿が 見えてきた。

しかし、なんと編成で見えるのが1本もいない。(いや、つながってはいるの だが、6両(サロまで)だったり、485系とつながっていたりで、そのまま出て いける編成がいないのだ)
陸橋を渡り、海峡線側に出てそこから線路脇の畦道に入る。海峡線と、架線柱 が邪魔をしているが、すぐそこに583系がいるのだ!

まるで見てください撮ってください状態の編成は、海峡線で言う所の函館方か ら、
Tnc583-20+M'M485-1082+M'nMn583-8+Tn581-46+M'nMn583-6+Tnc583-5?


クハネ583-20

モハネ582-8

モハネ583-8

クハネ583-5?

となっていて、幌はつないでいないし、ドアも半ば開いているが、485と583が 混成の模型みたいな(って、模型は実物がやらないとやらないのだが)編成。 その中に今日目的の増結3連が1つ挟まっていてくれたのだった。
その1つ隣にはさきほど行方不明と書いた訓練車のクハ481を先頭に、
Tc481+Tnc583+M'nMn583+M'nMn583+Ts581
の7連。車番は確認できないがこちらも先頭車が2両つながった運転所ならで はの編成となっていた。車両基地を見に来る面白さの1つがこれで、そういう 意味では来た価値は十分にあった。
何本か挟んで検修庫寄りにはクハ481を先頭にモハネユニットを1つつないで別 の増結ユニットが見える。できればこっちも確認したい所だが、遠目に見るだ けで精一杯。まぁ仕方ない所ではある。先ほどの陸橋からはその隣(海峡線側 から見て奥側にクモヤ740を頭に6連と、TncM'nMnM'nMnTsの6連が見えた。と いうことは都合3本がバラされているということになる。
畦道を写真を撮ったり調査項目を確認したり、DVに撮ったりと時間をかけなが ら(時間を取らせてすみませんでした>こうさん)行くと、最初の陸橋近くに 来た所でTnc583-17?を庫内につっこんだMnM'n583-94と、Ts581-33+MnM'n583-79 がそれぞれバラされて置かれていた。N21とN23の更新車2本が整備中というこ とで、あと1本は?。。。


サロ581-33

モハネ583-79

モハネ582-94

先ほど来た道を戻り、今度は先ほど乗った編成のいた(入出区線?)所の上を 越える道(最初越えた陸橋の更に南、運転所の(列車から見た)入口付近に案 内される。そこに1本583系が停まっており、さっきの105号が引き上げてきた 編成であった。
おおよそ3時間に渡ってひととおり眺めて調査を終え、青森駅に引き返す。途 中すれ違った583系がもし特発の109号だったらそろそろ戻ってくるはずだがと 思い、お願いして行きと同じ回送線沿いを帰ってきたが、行き違いになったか どうか不明だが結局出会うことはなかった。
こうさんは他に予定があるということでそのまま改札でお別れすることになり、 何のお礼もできなくて申し訳なく思う。今度会う時にはこの分も含めてお礼を しなくてはと思った。
さて、帰りの列車はさっき「はつかり22号」(485-3000)が行ったばかりなの で1時間ほど時間があるので東口(正面)に出て夕食の物色を始める。しかし、 魚以外の海の幸がダメな私は、駅弁も鳥弁当くらいしかないのであった。青森 で買うのを断念して立ち食いそばで当座をしのぐ。^^;
折り返し整備中の「はつかり24号」は国鉄色の485系。これも今や京都、金沢所 と共に貴重になった原色の車両である。1000番代の8連だが、原色で8連を組 む為にはどれか編成をバラさねばならず、さっき583と一緒に4連がいたのはそ の為かと思った。ただ、あまりにその4連が綺麗だったので、てっきり全検上 がりの回送直後かとその時は思ったのだが。この車両もこの秋くらいに新型 (E751系?)がでてくると玉突きになり、秋田所の車ともども処遇が気になる 所である。その一部は玉突きで冒頭に書いたように臨時「はつかり」の583系を 置き換えることになると思うのだが。。。ここにも車番がステンレスの切り抜 き文字から白のインレタに変更になった車がいたが、なんかプレートが剥がさ れた様にも見える。
今日は「はつかり111号」が運転されるのでいつもより3分繰り下げて16:52発 となって青森駅を出発した。
485系と583系を乗り比べるいい機会だったので、ふたたび485と583、何が違う のか考えながら乗ってみた。
485はまず583と比べると窓が高い。昨今のリクライニングシート化により、よ り視点が下がっていることもあろうか、倒した状態で対向の線路が見えない。 風景としては上(空)を見がちになるのが私にはとても気になる。ただ、この 窓高さは181系以来の伝統ではあるが。
次に485と583では、乗ると485の方が疲れる気がする。座り心地は座り方もあろ うが、疲れる気がするのはなぜか?と探ってみた。
私が感じるには485の方が軽いせいか、ひょこひょこ揺れる(スウェア?)振動 が多い。また、ローリングするにしても583の方が重く重心も高いせいか、揺れ の周波数が低く感じられ、逆にあまり揺れない感じがするので結果として疲れ ない気がするのである。行きと帰りの疲れ具合もあろうが、485は揺れて乗って られない、(と言ったら485を酷評し過ぎだとは私自身思うが)とさえ感じた。
日も暮れ、夕闇があたりを支配した19時05分、盛岡に定刻より1分延まで回復 して到着した。接続の「やまびこ24号」では上野着が「はくつる81号」の出発 3分前であり、編成の確認作業が間に合わないので、大宮で出迎えることを考 えるとその1本後の26号でもよいのだが、万が一の場合を考えてもし自由席に 余裕があるのなら24号で行こうと考え、ホームに上がってみると、行きの混雑 はどこへやら、2割程度の乗車率なので駅弁を買って乗り込んだ。E2系の増備 により、帰りもE2系である。200系よりは新しくてよいのだが、さすがに飽きて きてしまった。
大宮には21時21着。駅西口をぶらついて、コンビニでTV情報誌などを買ったり して時間を潰しつつ、22時を回った所で在来ホームに向かう。「あけぼの」が 発車した後、闇にきらめく三条のヘッドライト、入線してきたのはTnc583-9を 先頭にしたN25編成と思いきや、Tsから上野寄りはN24だった。しまった、ここ にお目当ての編成が入っているとわ。上野寄り先頭のTnc583-4の前頭部を撮る だけで他の確認ができないまま、列車は発車していった。望むらくは5/1の「は つかり」に入ることを。5/1の「はくつる」は確認できないのが辛いところであ る。。。
大宮から「あさま544号」に飛び乗り、東京でこれまた22時43分発に飛び乗って 家に着いたのは日が変わる直前であった。あぁ、もう4時間しか起きるまで時 間がない、明日の準備を慌ててすませて寝ることにした。

4/30

前日に続いて今日も始発、今日は「はつかり」の設定がないので、どうしよう か考えた結果、直江津まで419の調査に行くことにした。磐越西線で「SLばんえ つ物語」の乗車か撮影を考えたが、席の確保に失敗したし、今回583の調査を最 優先ということで419系になった。
ただ、2年前の夏と違い、どの列車に419が入っているのか確認できなかったの で、いきあたりばったりで到着から帰途につくまでに確認できる6本にどれだ け419が入ってくれるか神の味噌汁である。
東京着6:21だと接続する「あさま」が503号の7時発で、時間に余裕があるが、 「銀河」で知人が到着するということで、その出迎えをする為である。てっき り10番線着と思っていたら、9番線着だったりというハプニング?もあったが、 久々の対面となった。日ごろE-Mailを交わしているのでなつかしい感じはなく、 いくつか会話を交わして後、それぞれの目的地に向かってふたたび別れていく ことになった。まぁ、そんなもので十分なほどE-mailでのやりとりが意味をな しているのかも。
さて、今日は20/21番の上越・長野新幹線ホームに上がる。昨日はあれほど混ん でいた「やまびこ1号」も今日は3割ほどと空いているようで、ホームも閑散 としていた。こちらも1割ほどの乗車で、ゴルフバックを抱えた人をちらほら見 る程度である。
今回は2号車の3号車寄り(すなわち1番前)の2列席を確保。まぁ好きなと ころが好きな様に取れる状況ではあった。発車して上野、大宮と停車すると、 6割ほどの乗車となったが、多くは観光客ではなく、通勤客という感じで、高 崎で半数が下車、3割ほどに減ってしまった。このあたりから昨日の疲れと寝 不足からか猛烈に睡魔に襲われ、3列側に移動して1列使って横にさせてもらっ た。もちろんこの状況ゆえ許されることではあるが。
各駅に停車するも乗降客もさしてなく、乗車率は暫減して長野には2割程度。 十分な睡眠が取れるわけもなく、鉛の様に重い体を引きずって下車し、乗り継 ぎの在来ホームへ向かった。

乗り継ぐのは「みのり3号」新潟行で、直江津「あさま」と「北越」の直江津 以東をあわせた感じで、「赤倉」の格上げという話もあるが、距離的にも性格 的にもぱっとしない感のある列車である。直江津までは「信越リレー妙高」が 快速として走っており、直江津から先も何本か「北越」「雷鳥」「白鳥」など が走っており、その列車の存在意義を感じないのだ。日に3往復、しかも1往 復は高田からなので、本数も連絡列車とは言い難いものがある。「むつ」「こ まくさ」などの様に短命に終わるかも知れない。
それでもフリー切符客にはありがたいもので、時間的にもちょうどよい列車な ので利用させてもらう。2番線に入線したのは新カヌの1000番代車を中心にし た6連で、「いなほ」と共通運用のようだ。ただ、禁煙車が1,2,4,6号車と1両 おきになっているのはいただけない。おそらくは3,4号車は段階的に(「いな ほ」で)指定席車にされることがあるので、自由席車が4両もありながらバラ バラになるのであろう。またこの外部塗色はGU編成に使われいたものだが、そ の後カヌ車はすべてこの色になり、かつGU車も編成替えでバラバラにされてし まったので、GU車という意味がなくなってしまった。「あずさ」「あさま」と 同じ運命をたどっているのもJR東らしいと言える。
あと気がついたこととして客用ドアの窓形状が横幅が狭いものに交換されてい た。
室内はシートがR51Nをリクライニングにロックがかかる様にした他、シートバッ クにテーブル取り付け、バケットタイプにするなどの、最近の一般的なアコモ 改良がなされていた。所詮R51N改ではあるが、2年前に「白鳥」の自由席で乗っ た時は昔そのままのバッタンコシートだったので、まだマシになったと言えよ う。カラーが黒のモケットにピンクのバックシートテーブルになっていた。^^; あと、サニタリーでは、換気扇に消臭剤、鏡が取り付けられて、カラーリング なども変更されている。洗面所も湯温調整付きの自動栓になっているが、お湯 が出なかった。それではねぇ。
長野を出てしばらく走ると、右手に長野車両区が見えるが、その中に新あずさ 色の色褪せた車両が見える。松本所のがここに(廃車待ちで)来ているのもあ り、189が一時的に塗り替えられて使われたものもあるようだ。いずれにして も583より若い車輛が(あるいは485からも改造されているが)廃車になるのは もったいない気がする。それに混じってサハ165-5がぽつりと1両だけ離れて 置かれていた。今後の活躍が期待できないのは残念である。
豊野を過ぎると山間部に入り、列車は左右に身をくねらせて谷あいを進む。時 おり進行方向に黒姫、妙高などの山々が残雪に輝く山肌を見せ見事な景色とな り、車中でカメラを向ける人も。車内はこちらも2割ほどの乗車率。輸送力を どこを基準にするのか(不測の事態の余裕度も含め)わからないが、これで黒 にする努力と言うか、料金設定を考えると、考え込まざるを得ない。

妙高高原を過ぎると下り勾配となり、かつてスイッチバック(だった)二本木 などを過ぎてどんどん下りていく。やがて日本海側の地平部におりて右にカー ブしていくと左手から北陸本線が合流してきて直江津である。この列車はさら に新潟を目指すが、私はここで下車する。
降りるとすぐに1番線へ向かう。すでに折り返し富山行が停まっており、さっ そく419だった。編成は15番で、一時霜取りパンタとして副パンタを復活させ、 七尾線で限定運用に就いていたことがある編成であったが、今ではふたたび撤 去され、他の編成と同じ運用に戻ったが、パンタ台等が残されているのが特徴 である。前回と比べると暖地向けのまま残ったタイフォンカバーが715-1000に ついていた様なお椀形のカバーをつけられていた。慌てて改札を抜けて撮影に 向かう。1番線の列車は脇の駐車場から標識などが邪魔にはなるが、撮影が可 能である。
その後直江津駅前を散策したり、189などを見ながら直江津折り返しの列車到着 までの時間潰しをしつつ、16時36分発までの6本について調査を行った。
結果6本中13時と14時の2本を除く4本が419で、残り2本も475の3連で1本 は471であった。471は必要数の関係と、413への改造の打ち切りで辛くも生き残 り、急行形としても、そして最後まで残る第1世代(153,451はすでに全滅)に なりそうな気がする。ただ、車体や主たる機器はこそ471ではあるが、モーター はMT54に、主変圧器もTM20に交換されていて、オリジナルのままとは言い難い。
いまなお現役471系と昭和37年生まれを示す銘板。なんと国鉄の車籍板まで。

そういえば、60Hz専用だった581系を改造した715の最初のタイプは、同時に主 変圧器をTM20に交換したので、事実上583系と変わらなくなっていた。
直江津駅は新駅舎(南北自由通路と橋上駅化)の工事中で、なんか品川駅を思 い出す。それまでは仮駅舎となり、秋には完成の予定だそうだが、およそ何も ない所で、昼食なども駅弁で済ますことになった。
また、ここは本数は多くないものの、「はくたか」をはじめとする特急列車 が現役であり、時間待ちの間もそこそこ楽しめた。
それに189系が「信越リレー妙高」に6連ではあるがあさま色のまま活躍して いて、ちょっと気になっていたこの系列の最近を見ることもできた。
一方各駅停車には新潟色と(新)長野色の115系が使われていたが、長野色の 方にはつい最近登場した更新車も見ることができた。車内は取り替えたシート が新車然の匂いを発生させていたが、外観的には屋根が塗屋根になった程度で、 「どこを更新したんだろう?」と思うほどであった。西日本の113/115の更新 車が強烈なだけに物足りなさを感じる。ましてや快速に189が使われているこ の線区で代わり映えのしない115ではと思う。
一瞬ほくほく線経由(この鉄道線の車両も直江津まで顔を出す)で帰ることも 考えたが、189系の快速で長野まで戻ることにした。
16時36分発の419系を見送って、4番線に停車中の快速「信越リレー妙高14号」 に乗り込む。快速列車故、全車禁煙車となっているのは嬉しい。GU車ではない 一般車編成の普通車のアコモ改造にはシートがR51Nのリクライニングをロック 可能にして肘掛け脇に回転式のテーブルを追加したタイプと、シートバックテー ブルを装備し、バケット化を含め大型のGU車タイプ?の2種に、カラーリング が水色系またはグレーとダークグリーンを左右に配した(「あずさ」の改良が このタイプ)2種がそれぞれの4種を確認した。
改造に対する予算のつき方など年度による違いもあるだろうが、R51N改と新型 が今も「あずさ」の一部で混在しているのはどうかと思う。まぁ、この快速が アクセス列車ゆえ破格であるのは仕方ないとしても、カネを取っている特急が これより劣るのでは話にならないと感じた。
また、以前から気になっていた、485系改造車と183系の窓高さ等の違いについ ては、台枠下面高さは485系とほぼ同じなものの、床の高さは183の方が若干低 く(薄く)、それ以上に窓高さが485系よりも低いことが今回わかった。これは 485系の窓高さが高いという結果(そう感じたのは私の個人的な感想ではあるが) の対応だと考えれば納得できるもので、183系の窓が(逆に外から見たら)低く 感じていた理由がわかった。
列車は妙高高原からは各駅に停まりつつ、途中「みの り5号」と各停と交換の為7分停車した。また、豊野到着直前に減速した ので、なぜかと思ったら、飯山線の下り列車とすれ違った。その直後の到着ア ナウンスでは飯山線との連絡が約1時間後。。。だったら接続すればよいのにと 思った。
日暮れ直前の薄明の中、列車は長野に到着。ここで一旦改札を出て夕食を取る 為に善光寺口から外に出た。全く変わってしまった駅舎と、そうでない駅前と の間にギャップを感じながら左手のビルに入り、そば定食を注文する。量はそ んなにないだろうとタカをくくっていたら結構な量で、しかも決して暖かいと 言えないこの時期に冷そばは体調が万全でない体にはちと辛かった。
そう言いつつも、新幹線ホームに上がってから地ビールがあることに気がつい てよなよなペールを買って車内で飲んだ。ペールエールであることを含めて癖 のあるが悪くない味ではあった。あと軽井沢地ビールもあることに気がついた のだが、そんなには飲めない。
19時28発の「あさま540号」で上野まで。「はくつる81号」の到着まで時間潰し をしてからホームへ。ところが障害の関係で入線が大幅に遅れ、早く確認して 帰りたいこちらとしては辛いところだ。やってきたのはN27。またしても未更新 車である。となると4本全部が運用に入っているのか。前日よりは早い21時53 分発になんとか飛び乗り、明日以降の準備を行って前日と同じ時間までにはな んとか寝ることができた。

5/1( part2)に続く

                   (1999年4月29〜30日 記:たいちょ〜)


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