715系調査三度、そしてファイナル


仙台の715系を追いかけて三度目、そしておそらくは最後の調査となる だろう。5月からほぼ、3ヵ月に1回の調査行となった。
輸送改善の為に仙台地区に新車(701系だろう)が配属され、置き換え が行なわれるのはどうも来春らしい。この秋の改正かと予想したが、さ すがに長野新幹線関係で追われたらしく、11月末の改正では変化がなかっ たからだ。
今やわずかに4運用、検修予備を合わせて使用5本、配置は9本からさ らに1本減って8本になったが、配置に余裕があるので検査期限がとう に切れているのだが、休車でつないでなんとかもたしているようだ。お そらくはもう全検を施行することはなさそうである。
今回も例によって前回と同じくウィークエンドフリー切符で行くことに した。消費税が上がって15330円になったのも束の間、この秋からさら に値上がって16000円になったのはなぜか?長野新幹線の上乗せ?でも 利用しない分にはまったく不可解である。
「つばさ111号」で福島まで直行し、「あおば改めやまびこ202号」で 新白河で2124M/2129Mを捕えるパターンを敢行するが、このパターン、 時に福島での乗り継ぎが2分!しかも「つばさ」はホームの外れに止まる という。。。(ふつうそんな奴はいないって)^^;
さらに後で気が付いたのだが、新白河に8:40に着きたければ「やまびこ203 号」で行けばよいことがわかった。改正前の「あおば203号」の時刻が 繰り上がって5分早く着けることになったらしい。やれやれ。^^;
さて当日、天気は雨がパラつく悪天の中を出発。傘はちゃんと持って出る。 さすほどではなかったが。715/583の調査で今年、雨にたたられないこと がなかった。雨男ではなく、時に晴男ですらあったはずなのに、なぜだろう か?^^;
小田急の江ノ島行始発から東海道に乗り換え6:21東京着、いつも通り「つば さ111号」は13番改め23番ホームに停車していた。自由席はさすがに連休 の初日ともなると7割ほど席が埋まって出発となった。
上野、大宮からも人が乗り込んできて、自由席は多少の立客が出る。福島ま でノンストップ、例によって出発まえに買ったチキン弁当で朝食
福島に到着、「やまびこ202号」に 乗り継ぐべく反対側へ向かう。すでに入 線してきているのはやはり改正前より早い。今日は休日なので通過待ちがあ るのだが、2分連絡はきつい様だ。(もうそんなことはないのかもしれない) 200系の10連も変らないが今日はさすがに人が乗っている。4割弱ほどの乗 車率か。途中郡山からも乗ってくる。およそ30分ほどで 新白河へ到着した。
715系8連の2124Mが到着を待つ。 やってきたのはN-4とN-15 編成の重連 で、夏にチェック済ではあったが、逆順のN-4が先頭で撮影できたのは幸運だっ た。
ホームを移って2129Mを待つ。やってきたのはN-1編成で未調査の編成。これ で現存する編成を全て捕えることができた。(1002編成は未調査だったが、 帰りに買ったJR電車編成表ですでに4月に廃車になっていたことを知る)
本当はもう1度1003編成を見たいのだが、もう1本がそうでなくても文句は 言わないだろう。
クハ715-1001の5番ボックスに座る。窓は原形窓で、583系らしさを味わえ るボックスであった。あい変らず買い物客や高校生などで立ち客も出るほど混 み合う中40分ほど揺られて郡山へ。郡山工場の解体線には485系「ひたち」色 と715-1006ユニットがいたとの情報を得ていたのだが、(だから右側座った) すでに485系も715系の姿もなく、解体されてしまった様だ。駅に到着してお そらくは最後となる715系を下りる。撮影を行っていたら、「エルム」の筋を 使った回送列車が通過して行った。


715系(1000番代)最後の乗車列車はトップナンバーで締めくくることに

715系の撮影を終えたらフィルムも丁度終わりとなった。そこで交換を始めた ら、なんと巻上げのロックがかからずシャッターが時折落ちてしまう。今回撮 影中に変だと思っていたら。。。昨夏も修理に出したのに、さすがに15年も使 えば寿命か。。。懐と共に大いなるショックを受けることとなった。^^;
郡山からは夏と同じく「やまびこ113号」で仙台へ向かう。ここまで各駅停車 でここから仙台までノンストップという珍しい列車だと思う。16連なので、結 構混んでいるかと思いきやガラガラであった。さきほどの200系とは同じリク ライニングシートの改良座席ながら、アコモが違ってゆったりしている様に感 した。35分で仙台に到着。
仙台ではおよそ1時間弱の時間調整、本屋に寄ったりして時間を潰すのは今回 も同じ(芸がない。^^;)。さて、鉄ピクにも書かれていた715系の代走編成を 期待していたのだが、すでに正規の719系の編成に戻されていた。


ラーメンをすすって待つことしばし、調査最後の編成が入線してくる。編成は N-12、残念、1003には今年会うことができなかった。ひょっとするとすでに 会えないのかも。。。
さて、これで715の調査は終了である。後はウィークエンド・フリーをどう使 いこなすか?さすがに秋田には行かない。せっかくだからどこかを乗り潰しし たい。そこで磐越東線と西線、あるいは気仙沼と大船渡などいろいろ検討した 結果、今回は磐越東線にすることにした。これだと帰りに天賞堂にも寄ること ができるからである。
さっそく新幹線ホームに戻り、「やまびこ126号」に乗車する。結構な乗車率 で、なんとかC席を確保するだけで精一杯だった。しかもこちらは0系2000番 代からの伝統インチキリクライニング-.-;立客まで出ながら出発となった。
福島で「つばさ126号」を連結する為に下り側ホームに入る。山形新幹線への 渡りが下り側だけにしかないからであるが、その為に「やまびこ」が2回上り から下り、またはその逆と渡る面白い?運転形態である。こちらは東京側先頭 寄りにいるのでわからなかったが、「つばさ」との連結もほどなく終了した様 で、案内放送が入って知ることとなった。出発して再び本線を渡って元の上り に戻ると加速を開始し、やがて郡山に到着した。通過も含めて4度目である。^^;
時間待ちの間に昼食を買いに外へ、毎度の如く駅弁を物色する。最初、福豆屋 の栗おこわが目に止まったのだが、別件(三金の「萩の月」^^;)で通りすぎて 戻る途中で並びの東北軒のおばちゃんに引っかかる。^^;「どれがお薦めですか?」 と尋ねると「きじ焼き弁当(740円)」を薦められた。隣の栗おこわに未練を 残しつつ、「隣は別なんですよね?」とくだらない質問をしてしまった。
結局きじ焼き弁当を購入して在来ホームへ向かう。
磐越東線は一番東のホーム(確か7番線)から発着する。その東には郡山工場 の構内の続きだろうか、留置線が広がり、スカイブルーの103系が4両、放置? されていた。


廃車待ちかとその時は思ったが、さにあらず、仙石線(宮城野区)への転属車 で、寒冷地改造待ちの様だ。かつて車体はこのATCタイプに更新された72系が 走っていた仙石線に、今度は本家が入線するのも奇遇な気がする。でもってそ の72系はお役御免となった後103系に改造されて上京し、川越線で未だ現役で 走っているのだからなおさら奇妙だ。


その構内の北側にはキハ110系の姿が見える。郡山からはこの磐越東線と、水郡 線が発着しており、どちらもキハ110系が使用されているが、見える車は磐越東 線用の様だ。今となっては懐かしいとも言える昔ながらのホーム端にある便所に 寄るうち、発車までまだ20分近くあるが、13時14分発のいわき行が入線してき た。


編成はキハ110-104+キハ111-103+キハ112-103の3両編成、先頭となるキ ハ112の進行方向向き2人掛けボックスに席を取った。ところが、水郡線で乗っ た時にはむしろ広く感じたボックスも715に乗った(いや、あの時も715から乗 り換えたのだが)後のせいか、やたら狭い。窓にはテーブルもなく、弁当を食べ ながらというにはいささか不便を感じたのであった。
駅構内を見渡すとこの列車の1分後に発車する磐越西線の455の姿が見える。


国鉄時代の塗色はどこへやら、一度は仙台色になって後、赤を主体の磐西色に変更 されて今に至る。よく見ると最近登場した仙山色って赤を青に変えただけではない か。どうりでどこかで見た塗り分けだと思った訳だ。
そうこうするうち発車時刻となり、国鉄時代のとは明らかに違う軽い音色のエンジ ン音のうなりを高くあげて定時に列車は郡山を後にした。
郡山を出てしばらくは東北本線と並行する様に走り、川を渡った所でこちらは右に カーブして別れていわきに向けて進んでいく。しばらくは刈り入れの終わった晩秋 の田園風景が続くが、すぐにそう深くはない谷合いを縫う様に走る風景に変った。 両脇の山とは呼べるほどではない高さの森は紅葉も終わり近く、一面冬の訪れが近 いことを告げている。明らかに登りにかかっており、さすがにかつてのDMH-17の 様なあえぎあえぎ登る様な苦しさはないものの、それでもエンジン音は重く響かせ ながら列車は進んでいく。ほぼ満席状態で発車した車内は、駅の停車ごとに多少減 りつつも、新たに乗ってくるお客もあって、なかなか減る気配がない。 乗客の主体 は他聞にもれず高校生であるが、服装はここでも変らずミニにルーズソックスであ る。
近代的なアーチ橋が見え、常磐道かと思いきやさにあらず、磐越東線と並行する様 に走る磐越道である。また舗装もきれいに整備された一般道もこの辺りを並行して 走っており、この線がすでに沿線の足として切れないものから下りていることがわ かる。キハ110系とワンマン(一部列車)でどれだけ輸送改善が計られて生き延び ることができるかは、むしろダイヤによると思う。どの地方交通線にも言えること だが、輸送改善で浮いたコストはダイヤの改善にむけて需要を喚起して欲しい。最 近東北地方を旅行することが多くなったが、本線系も含めて沿線の足である各駅停 車の不便さを感じざるを得ない。 弁当をたいらげるうち、さらに列車は山合いに入り、並行して走っていた道が細く なるにつれ、峠が近いことをしる。やがて小野新町(にいまち)に到着するとかな りの乗客が下りて、またパラパラと乗ってきた。それでも7割ほどの乗車があるの は時間がよいのか。しばらく走ってやがて峠を抜けた(分水嶺を越えた)らしく、 線路に沿って流れる渓流の向きが逆になった。エンジン音も軽やかになり、列車は 淡々と下り始めた。川の名と同じ夏井、さらにその名もまさに川前と、駅名が続く。 小川郷では半分に切られたおそらくナハ11の車体が喫茶店であろうか、第二の車生? を送っていた。列車の食堂車を使った喫茶店やレストランは営業が芳ばしくないの か、あるいは車体の痛みが持たないのか、数を減らしているという悲しい知らせが 届く。願わくは余生が長からんことを祈らずにはいられない。赤いを過ぎ、どんど ん下って左にカーブすると右から常磐線の複線が合流してきて、やがてATSのブザー が響いたかと思うと列車はゆっくりといわきに到着した。
20分ほどの待ち合わせで上野行「スーパーひたち40号」に乗る。本当は10月の改 正で登場したE653系「フレッシュひたち」に乗ってみたかったのだが、あいにく 接続がない。1番ホームに着くとそう時間もたたないうちに左手から7連が入線し てくる。まだ発車まで15分以上もあるのだが、当駅から増結される編成であった。


禁煙車自由席の7号車に乗り込み、席(6D)は余裕で確保できた。原の町からはたっ た4連で来て、ここから11連で終点上野まで向かうことになる。


となりの2番には仙台行717系6連が停車中、クハ716の貫通扉のホロ枠は165系以 降の飛び出たタイプではなく、クハ153と同じステンレスのホロ座があるのみ。なん が時代が戻った様だと気付いた。


やがて原の町からの4連が到着して駅員の無線誘導で連結。そして列車は上野に向けて 出発した。7号車の乗客はわずか2割の入り、連休初日の午後のせいだろうか。
という心配は次の湯元に到着した時点で無駄と判明する。列を作って待っていたお客が どっと乗り込んできて、あっという間に7割ほどの乗車となったのだ。その後も停車す るごとに乗り込んできて、日立を出る頃にはほぼ満席となり、水戸では立客まで出るほ どの盛況となったのだった。
仕切ドア上部にはこの頃の優等車には(って新幹線100系くらいか)備え付けとなった インフォメーションボードがあり、多少の遅れはあるものの、旅行中疎遠となりがちな 一般情勢を得られるのは大変ありがたい。そして、車中得たものは、小錦関の正式引退 と、山一証券の廃業というショッキングなニュースだった。
列車は快調に飛ばす。いつの間にか雨も上がり、西の方の空には夕の朱もうっすらと見 える。このままだと明日は晴れるかも。何という運の悪さだろうか。。。
途中インフォメーションボードには「ただいまの速度は120km/hです。」なる情報も 流れる。そして日立からはいよいよ130km/hの表示も登場する。しかしながら、確かに その速度が正しく感じる時もあるが、明らかに減速に入ってから129km/hと表示された 時には疑ってみたくもなる。^^;
また、130km/hの速度感だが、783系の激しいピッチングこそいかないまでも、やはり ボルスタレス特有のピッチングは消えない。そこへ行くとさすがに275km/hまで出せる 標準軌のE3では、田沢湖/奥羽区間での130km/hでは流れる様に走る。まだ681の160km/h を味わったことはないが、改良されていることを願う。
勝田では、電車区ではなく、ホーム横の留置線に、「ゆう」と並んでおそらくは最後の1 本となるボンネット編成がとまっていた。そして原色の試験車は水戸駅構内にその姿を見 ることができた。
水戸を出ると終点上野までノンストップ、途中車上切り替えはいわきで連結直後に行って おり、いよいよ本番を待つばかりである。友部のあたりで外は闇と化し、E501が出区し つつある土浦を過ぎ、藤代を過ぎた所で蛍光灯2本を残して照明とそして空調などの機械 音が消えて堕行のレールを刻む音だけが薄暗い車内に響く。電車とはこんなに騒々しいも のだったかと感じさせる一瞬である。交流区間からついに直流区間に進入して車内に明り と騒音が戻るとやがて取手を通過、ここから複々線となり、見慣れた103系や203系が車 窓に映ると上野まであと少しである。三河島を過ぎて左に大きくカーブすると東北線やら 山手線と一緒になって上野に到着である。17時24分、定時に18番ホームに到着した。隣 の17番ホームには30分発のE653系「フレッシュひたち45号」が待っていた。
これで調査行も終了、山手で有楽町に出て、銀座天賞堂に寄り、パーツやら電車編成表を 買って東京に一度戻ってから東海道〜小田急経由で帰宅した。

                     (1997年11月22日 記:たいちょ〜)


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