715系調査からなぜか秋田往復の旅


どうも仙台の715系が今年で危ないらしい、今年のJRの事業計画によると 輸送改善の為に仙台地区に新車(701系だろう)が配属され、置き換えを 行なうことが先日発表されたからだ。昨年こそ秋田新幹線の開業関連で 変更(改正による運用の変更は一部あったものの)はなかったものの、 701系による置き換えで今やわずかに4運用、検修予備を合わせて使用5 本、配置は9本残っているけど、約半数が寝ている現状に、今度が最後 だろうと言う予想はおそらく外れはしまい。(同様にもっと危ないのが 長崎の715で、こちらは残り7本なのだが。。。)
というわけで、配置に余裕があることからも、検査期限の切れた車から おそらくジリ貧で廃車されていくことだろうと予想されるので、今回の 調査の旅を思い付いた。以前はスーパーホリデーパスで黒磯まで行き、 そこでの折り返しを捕まえていたのだが、ついに黒磯まで来るのは早朝 のわずか2往復になってしまった。しかも、2122M〜2129Mは始発で新幹 線を使っておいかけても黒磯では間に合わないのだ。となると黒磯から 先で捕まえないといけない。スーパーホリデーパスで黒磯まで行っても さらに先が必要となるとせっかくのフリーパスの効果も薄れてしまう。 次に考えたのが周遊券を使うこと。しかし、一番安い仙台・松島ミニで すら、新幹線の特急料金を入れるとウィークエンドフリー切符に負ける ことが判明、JR東日本圏内ならフリーでかつ新幹線を含め自由席乗り放 題の効果はバツグンなのであった。15330円は安くはないがこれが一番 なのであった。
さて、切符を買ったら今度は予定である。(おぃおぃ普通は逆じゃない のか?)どこで2129Mを捕まえるか?である。改正直後では郡山行だった のに、福島まで行くことになったので、郡山で捕まえると停車時間も長 いしグッドだろうと考えた。ところが、郡山まで新幹線で行くと、何も 始発でなくてもよくなるのである。さらに、列車のタイミングが悪く那 須塩原(ここで間に合えば黒磯でOKなのだが)や新白河でちょうどよい 列車はない。いや待てよ、始発で間に合う「つばさ111号」で福島まで直 行し、折り返したらどうなるか?フリー切符の利点を活かす作戦である。 すると、直後に福島を出る「あおば202号」に乗れば新白河で2129Mに間 に合うことがわかった。しかも、折り返し2131Mになる前の2124Mにも2129M の待ち合わせの間に新白河で捕えることができる。1粒で3度おいしい (2124Mは715系重連)とはこのことである。後は当日臨機応変に決める ことにして、インターネットアクセスもそこそこに前夜は早めに就寝。
さて当日、足元でもぞもぞ動く気配に目をさますとなんと次男が起きて 遊んでいる。^^; また4時過ぎだと言うに。。。ちょっと早めに起きだ すことにして支度を整える。まさか子供に起こしてもらうとは夢にも思 わなかった。天気はどんよりしているが雨は降っていない。もとよりこ の日を変更することは不可能なので気にせず出発する。傘を持たずに出 たのはとんだ失敗であったが、この時には全然思わなかった。
小田急の江ノ島行始発から東海道に乗り換え6:21東京着。足速に東北・ 上越新幹線乗り換え改札に向かう。思えば新幹線にフリーで乗るのは初 めてで、特急券の改札を受けなかったのは、入場券での送迎以外以来で あった。
めざす「つばさ111号」は12番ホームのかなり上野寄りに停車中、この 列車、「やまびこ」に併結されず、全区間単独で走る珍しい列車である。 ところが列車の並び位置を17連!時と同じにするため、上野寄りの1番 端に停車しているのである。さらに自由席車は山形寄りの2両で禁煙車 は先頭車なので、本当に端であった。
13番ホームに間もなく入線する「こまち」に自由席の結構な列ができて いる、さすがに秋田は開業需要がまだ活況の様だ、さてこちらはと言う と、すでに乗車は始まっていて、8割ほど席が埋まっていたが、難無く 座れた。
席を確保してから弁当の確保、東京での私の定番はチキン弁当(子供と 一緒に食べるときはこの弁当)、鳥めし、牛めし、トンカツ弁当の4つ の中から体調によって決める。朝からトンカツや牛はなんなので鳥めし を選択、お茶と買い込んで車中に戻る。売れていたのは深川めしであっ た。
発車直前にパラパラと人が乗り込んでほぼ満席で発車、上野ではさらに 乗り込んできて立ち客も。7連中自由席が2両というのは少なすぎであ る。ちなみに後で指定席車の方に行った時には指定席は5割ほどの空き だったので、やはり自由席とのバランスに欠けていることを物語ってい た。
大宮からも人が乗り込んできて、自由席は130%位の乗車率か、ここから は福島までノンストップ、しばらく走ってから上越新幹線と別れを告げ ると列車の速度もあがった。
ここで車内を見渡す。新幹線とは言え、ミニ新幹線と車体が1回り小さ く、4列シートもあいまって車内はせまく感じる。なんか在来線の新型 特急電車に乗っている様な気分である。座席もカラーこそ違うが651系 と似た感じであり、新幹線で言えば100系のミニタイプと言える。気になっ たのは荷物棚、スリガラスの台で、見えなくはないが忘れそうに思った。
13号車に自動販売機があるとのことで、そこまで歩いていったのだが、 指定席のシートは自由席のそれとは違い、見た目にも差が歴然としてい た。(シート地がブルーではなくグリーン系であるなど)JRになってか ら特に東日本の車(グレードアップ車も含む)に言えることだが、過当 に差別化している様に感じる。(これで全車指定になったりしたら。。。)
確かに指定料金として500円(繁盛期には700円)の差があるわけだが、 それ以前に少なからず特急料金を払っていることを認識して欲しいもの である。さらに途中で増備された15号車のシートはモケットなどは同一 であるものの、シート形状がさらに丸く変更されていた。
そうこうするうちに「つばさ111号」は福島に到着、「あおば202号」に 乗り継ぐべく反対側へ。(通常ならできない芸当)ホームに上がる間もな く「あおば202号」が到着。こちらは200系の10連で、車内はガラガラであっ た。およそ35分ほどで 新白河へ、在来の各停(しかない)だと1時間45 分はかかる所なので、新幹線様々である。さて、新白河では目的の2129M の到着前に、黒磯で折り返し2131Mとなる715系8連の2124Mが到着する。 さらに2124Mはここで貨物列車待避の為にちょっと停車してくれるという おまけ付きで、本線側から向かいとなる中線に停車するので撮影にも向い ているというおいしい場所なのである。ところがやってきたのはN-12とN-10 編成で、これらはすでにチェック済なのであった。残念。4運用中すでに 2本がハズレで、これで未確認の3本のうち1本は今回確認できないこと が確定、嫌な予感が走る。ED75重連のコンテナ貨物を待避した後、黒磯に 向かって発車していった。さらに霧雨も降りだしてきた。家を出る時雨は 降ってなかったので、傘を持ってこなかったのだが。。。
ホームを移り待っていると2129Mが到着。こちらはN-11編成で未調査の編 成。実の所一番来て欲しいのはN-4編成なのだが、はたして残り1本はそ れだどうか。2129Mに乗車して郡山へ向かう。結構混んでいて、701系の 2連なんか(列車は715の4連)に置き換えたら利用客から顰蹙だろうな と思う。
クハネ581改造のクハ715-1011の4番ボックスに座る。残念ながら窓は原 形ではなくユニット窓に改造のボックスであった。しかし、シートや乗り 心地などは今も変わらぬ583系のままで、しばし余韻に浸ることにする。
買い物客や高校生などで立ち客も出るほど混み合う中40分ほど揺られて郡 山へ。1つ手前の駅(安積永盛)の読みを今更ながら知ることに。郡山工 場の解体線に先日クハ481のトップナンバーを見かけたのでどうなったかと 思って眺めていたらすでに485系の姿はなく、どうやら解体されてしまった 様だ。保存目的と言いながら放置する形でさんざ荒れ放題にしておいて、 結局無理でしたと潰してしまうのはなんということか。そういえばクハネ 581-1から改造したクハ715-2も気がつけば廃車されており、もう保存はで きない(別番車はまだ健在だけど)のも非常に残念である。今まだ現役の クハネ583-1はいずれ保存されるのかどうか、できれば佐久間レールパー クででも引き取って保存して欲しいものである。郡山で17分程の長停車と なるが、お客は半数ほど入れ替わった位だった。(福島に行くのだろうか?) 調査を済ませた後新幹線ホームへ。
これで瞬く間に3本を確認できてしまったので郡山からどうするか?残り の1本は仙台近郊を往復していて、さらにここからだとちょうどよい列車 もない、仙台まで先に行くと1時間ほど待つことになる。かと行ってこの まま乗っていっても目指す松島行には追い付けない。ならば「つばさ115 号」で山形を回って仙山線を乗り潰して後仙台に向かうとどうか?時間に 余裕はあまりなくなるが、ちょうどうまく松島から折り返して来るこの運 用を捕えることができることがわかった。実に好都合である。
ホームの先頭(福島寄)の一番端まで向かう。自由席の辺りには上屋根が なく、ポツポツと降り始めた雨が。。。新幹線なのに。やってきた「つば さ115号」の自由席は朝一で乗った時から予測されるように立ち客までいる 程の混み様である。福島で「つばさ115号」は「やまびこ115号」と切り離 されるが、こっちはそのまま出ていく列車に乗っているので解結作業を見 ることができない。福島を出て20kVへのデッドセクションがあったはずだ が認識できず。在来ホームから延びてきた線路と合流してこれからは改軌 在来線区間である。庭坂の大カーブを抜ける、在来時代に撮影にいかなかっ たのが惜しまれる。そして険しい山間に入りかつての難所、板谷峠を抜け てけていく。生憎の天気ではあるが新緑がまぶしい。本線走行中にジョイ ントを刻む音が聞こえる。さっきまで新幹線として走っていたのが嘘の様 で、速度もかなり落ちて60km/hでているかどうか。しかし、かつて4110が、 EF64が、そしてEF71があえぎあえぎ登っていた峠をゆっくりとは言え軽や かに抜けて行けるのは持てるパワーの差か?改軌と同じに各駅停車もやっ と客車から電車化されてスイッチバックも不要となった。スイッチバック と言えば磐越西線の中山宿がEC化によって消え、名所(難所)と呼べる峠 も今秋には碓氷峠も新幹線開業によって(こちらは別線開業により区間廃 止)消える。交通のネックではあるが、こうして1つの風物詩が新幹線に よって消されていくのはちょっと残念である。利用する側にとっては便利 になるので、文句を言ってはいけないのだが。
峠を抜けて盆地に下りてくると米沢、ここでやっと空きができて着席でき た。続いて高畠駅、ここには駅に温泉があるのだろうか?そんな垂れ幕を 見かける。山形での待時間を考えると、わかっていたら下りだろうに。
逆に赤湯とかみのやま温泉にはないようだ。そして山形着。


400系「つばさ」と同区間専用の標準軌用の719系5000番代

山形ではおよそ1時間の休止。仙山線も折り返しの「つばさ」も、連絡が よくないのだった。そのまま奥羽を進んでも新庄から先、特に横手〜大曲 間は連絡が悪くて使えない。秋田新幹線によるネットワーク分断の弊害だ と思う。山形で何かおみやげをと思ったが、さくらんぼの高いこと。結局 三金のお菓子4つ^^;
すでに1時間以上前から仙山線の仙台行「仙山14号」は2番ホームに入線 している。3番には左沢線の快速、1番には「こまくさ」と各方面行がな らんでいた。駅ビルで牛めしを買って乗り込む。この日の編成は例のパッ チワークの上をいくカラーのオプティカルトレイン編成であった。


発車を待つ「仙山14号」、下は左沢線のキハ101


内装もこれまたJR九州のハウステンボス色とタメを張るような(あちらの 内装は外観ほど奇抜ではないが。)ただ、座面が低く、クッションのバネ もくたびれている様な感じを受けた。ただ張り替えて派手にするより、こ ちらの方をなんとかしてほしいものである。



発車時間が近づくと閑散としていた 車内も結構混んできて、立ち客も出るほどになった。この「仙山14号」の 前の12号との間が他に比べて開いているせいもあろう。やがてやっと発車 時刻となり発車、左沢線との分岐で特急も止まる北山形に止まる。左沢線 のホームはすでに分岐した後でちょっと離れている。に比べてこちらは通 過となる羽前千歳を過ぎて後右に分岐して奥羽本線と別れる。すぐさま谷 間に入る。山寺では右側に座っていたので、さいしょ崖下のお寺が?とか 思ったが、よく見ると崖の上の方にも見える。あれが本当の山寺でであろ う。あそこまで駅からどれくらいかかるのだろうか?臨時停車の面白山高 原、あいにくの雨でハイキング客もまばらだが、何か面白いものはあるの かどうか気になる所だ。駅のすぐ先から始まる面白山トンネル内で信号所 を確認。根室本線と石勝線の分岐と高山本線にもあった気がするトンネル 内での信号所である。この山奥ならやむを得ないのであろう。かつてこの 辺りで崖崩れがあり、復旧に苦労したと聞いたことがあるが、こんな山奥 に線路を敷き、保線を行なう現場には頭が下がる思いである。一番駅間が ある区間であるが、逆にいうと何もないとも。。。
びっくりしたのは次の奥新川から仙台市内だったこと。なんと仙台市は山 形県(市)と接しているのである。そして作並、日本交流電化発祥の地と して碑が立っていた。どうせなら利府で朽ちるままになっているED44/45を 持ってきてここに保存展示すればと思うのに、485系のトップナンバーも朽ち るがままにしてきて結局潰してしまったJR東の姿勢には疑問が残る。潰し てしまったらもう元には戻せないというのに。。。そのうち早起きの影響 か眠気が襲い始め、気がつくと羽前白沢、しまった、雑誌に良く出てくる 有名撮影地を見そびれてしまった。これも難読だと思う愛子に到着。ここ からは仙台通勤圏の様だ。仙台に近づくに連れ町並みも都会のそれに近く なり、やがて高架になる。仙石線と共に近代通勤路線へと変貌する。仙台 電車区の脇をかすめ東北本線をオーバークロスして東北新幹線の高架の下 をぬって仙台には6番線に到着した。
6番に到着した快速の隣、5番線には目指す715系の郡山行が停車中。編成 はと言うとN-7、残念、調査済みのハズレである。調査を進められたのは4 本中1本だけという御粗末さであった。あと目指すN-1と特に調査を入れた いN-4はどうしているのだろうか?
さて、これで715の調査は終了である。後はウィークエンド・フリーをどう 使いこなすか?仙山線の車中で考えたのだが、せっかくだから時間移動距 離の大きいものに乗るのが効率が良いのは自明なので、仙台から新幹線で どこまで行けるか?7分後の「こまち45号」に乗れば秋田に16時過ぎには 着ける。すぐさまとって返して「こまち6号」に乗れば東京に20時44分着 なんと秋田往復して十分遅くない時間に帰ることが可能なのである!もち ろん観光はできないが。というわけで乗り潰しをするならまずこれで稼ぐ に越したことはないと決行を決意した。715の調査が終わるや否や新幹線 コンコースに急ぐ、なにせ「こまち」も「つばさ」と自由席はホーム先端 なのだ。なんとか入線直前に列にならぶ。多くはないがたぶん座れないだ ろうと予想する。しかし、結構下車客もいてなんとか座れた。しかしほぼ 満席となった。
ところで「こまち45号」は仙台までは「やまびこ45号」と併結されてくる のだけど、ここで分割し、「こまち」は盛岡までノンストップ、逆に「や まびこ」は各駅停車となる。こちらは最新鋭のE3系、しかしわずかに5連、 今回JR西に4連の「こだま」が登場したけど、それは特殊であって、現在 最短のミニミニ新幹線である。こちらも自由席は編成端の2両、禁煙席は さらに端の先頭車である。朝の東京でも結構ならんでしたし、開業による 需要喚起には成功した様だが、山形にしても秋田にしても編成が短すぎる。 山形では指定は50%強だったので自由席に1両転化すべきだし、今の秋田 じゃ絶対的に不足である。
E3系の内装は300系に近い航空機デザインになっている。ただ仕切はグレー の木目調貫通扉はライトブラウンのまさに木の質感。しかし昔の583の様な 印刷ではなくモールド状になっている所が違う。シートは400系の青系(指 定席は緑系)と違い、黒に黄色の枕。やはり指定席とは細かい仕様が違ってい て、こちらはオレンジの枕。外装といい、ちょっとドぎつい色使いである。 シート以外の内装はグレーなのだが、解せないのは2〜3列ごとに荷物棚 から天井を支えるようなアーチがかかっていて、そのアーチに照明が間接 照明になるように造形されていることだ。このアーチが狭い車内にかなり の圧迫感を与えるのである。あるいは強度が不足して骨が入っているんじゃ ないかと思ってしまうほど。^^;
さて仙台を出るとVVVFのうなりを上げて猛然とダッシュする。ここからは 275km/hで走る。揺れは東海道の300系と比べると遥かに安定していて、 ボルスタレス台車特有(と私が思っている)のピッチングもほとんどない。 300系は乗っているとそれだけで疲れてしまうような揺れ(乗り心地)だが、 さすがに後発だし200系での経験か格段の差があると感じる。カーブでの 揺れやヨーイングなど多少気になる揺れもあるが、矢の様に突進する感じ の乗り心地である。後、先頭車であることもあるのか空力で多少なりとも 下に押されているというか、逆に風の影響か?と思うような揺れも。
実際に速度表示がされるわけではなく、窓の外を流れる速さで体感するわ けであるが、あっというまに駅を通過していく、183.5kmを48分で走り抜け ていくわけで、平均速度230km/h弱。。。現在日本で2番目に速い新幹線 である。早く500系「のぞみ」に乗ってみたいものだと思った。
仙台から1時間もかからず盛岡着、今や定期の「はつかり」に583の姿は ない。もしあったならここで撮影に回っただろう。盛岡を出て田沢湖線 に向かう左カーブの所で盛岡に到着する485系電車の姿が見えた。
田沢湖線に入ると速度はぐっと落ちて90km/h位か。VVVFの制御域らしく、 加減速の度にうなりが聞こえる。通勤車でいう25km/hあたりの感じである。 最高速との差を考えればさもありなんである。ここも仙山線と同じく雫石 あたりから山に分け入り、奥深い山間を抜けて湖の見えない!田沢湖を抜 けると一息という感じである。時折上りの「こまち」と擦れ違うが向こう は指定席も自由席も満席、立客もでている。
時折道行く人や車から列車に手を振る光景が見受けられた。まだ日も浅い こともあろうが、やはり新幹線だからであろうか。にしても都会では見ら れなくなった微笑ましい光景である。
大曲でスイッチバックし、奥羽本線に入る。奥羽本線も福島〜秋田間では 両側を標準軌に乗っ取られた感じだ。しかしこちら側では従来の列車も走 るので、基本的には単線が2つ、一部標準軌が複線になっている様な配線 となっていた。角館付近から雨も上がり、このあたりでは晴れ間も見えて きて、やがて左手にE3系が2本並ぶ他に気動車などが並ぶ南秋田区が見え てくると終着も近い。標準軌と狹軌が入り交じりながら、やがて左手から 羽越本線が合流してくると終着の秋田である。
すでに帰りの「こまち6号」の自由席に人が並んでいるのを見て下りるや 否や列にならぶ。ホーム上の売店でとりあえずのお土産を買う。稲庭うど んがなく、仕方なくきりたんぽ鍋セットを購入、夕食として舞茸わっぱ飯 も購入。「こまち6号」となる列車が回送で入線してきて5分ほど待たさ れてからやっと乗車となった。
席を確保してから改札の外に出て稲庭うどんを買ったり、「かもしか」を 撮影して時間を潰して後、列車に再度乗り込む。すでに立ち客もいて、需 要は旺盛である。
本来新幹線は別線でラチ(改札)も区別できたのが、従来に割り込む形と なった為に山形や大曲、そしてここ秋田でもホームを分けたり区分してラ チを設けている。長編成に対して余裕があることもあって、ホームを中央 で2分して、片側が標準軌、もう1方を在来で使っている。また、特急と 各停(快速)でホームをわけているのも特徴である。


ホームの中ほどで分断し、新幹線ホームと在来線ホームを1つで共用しな がら分けている。(ラチも設置されている)上は秋田(E3系が見える)、 下は山形

ラチの外に出ている時に自宅へ電話、予定を知らせずにでたので、「今秋 田」と答えたら妻にはあきられてしまった。。。^^;当たり前か。^^;;;

715系の調査に来たのに、なんでこんな所にいるんでしょうね?^^;

そのまま折り返す形で戻り、こちらは盛岡から「やまびこ6号」を連結し て東京へ向かう。「やまびこ」の方も新鋭のE2'である。(E2は長野(北陸) 新幹線「あさま」用)E2系もカラーリングがおよそ新幹線らしくなく、脱 国鉄新幹線なのかもしれないが、しかし、そのデザインは疑問が残る。
宇都宮付近までやはり275km/hで疾走し、途中仙台と大宮に止まったものの、 東京まで4時間弱で到着となる、秋田も確かに近くなったものである。
しかし、「つばさ」の奥羽本線区間といい、「こまち」の田沢湖線区間と いい、「新幹線」と呼ぶには違和感がありすぎて、新在直通特急と呼んだ 方がしっくりするなと思う気がした。(でも山形新幹線、秋田新幹線と連 呼するし、呼称もそうなっているのは、新幹線願望なのだろう。まぁ、そ のまま新幹線になるわけではあるからいいじゃないかと言われればそうな のだけど。)ただ、新幹線開業の影に平行在来線の廃止があるのは大きな 問題と言える。山形新幹線の新庄延長が決まったそうだし、これの実現が 山形〜新庄間の在来線としての奥羽本線の廃止となれば、「津軽」は走れ なくなるし、東北を青森まで行くのに東北線か羽越線の2つしかなくなる (非電化を入れれば陸羽東/西経由はあるが)し、長野新幹線の開業によっ て、横川〜篠ノ井間の廃止(軽井沢〜篠ノ井間は第3セクターで残るにし ても)により長野には新幹線以外では中央本線〜篠ノ井線経由でないと行 けないと言うのは、万が一において大きな問題である。
帰りは最後尾だったせいもあるのか揺れも行きに比べれば酷く、ピッチン グもさることながらローリングはかなり気になった。空力の影響に因るも のだろうか?
仙台から再び雨となり、東京に着いてみると大雨、かくして家に着く時に は濡れ鼠1匹となっていた。;.;
715系調査の旅は十分な収穫を得られないまま、ほとんど列車に乗りっぱ なしで1日を終えた。
翌日はうって変わって晴天の中、上の子供と宇都宮まで行きはMAXなすの、 帰りはつばさでE2(')系以外の新幹線車両への乗車となったのだった。

                     (1997年5月24日 記:たいちょ〜)


taicho@ec583.org
(c)Copyright EC583 since 1993, All Rights Reserved.