581/583系の方向幕の変遷(西日本編)

注:方向幕の情報は、名古屋大学鉄道研究会方向幕調査委員会とNIFTY-Serve 鉄道 フォーラムより提供をいただきました。よって、これら情報を執筆者および提供者 に無断で引用または転載することを禁じます。引用または転載を希望される方は連 絡をお願いします。



南福岡電車区/向日町運転所 583系 側面・電動

番号は対照表の番号を示す。番号の後の [ は白幕を示す。番号の前の※は、前回 からの変更箇所を示す。(ただし、全面変更の場合は示さない)

S44. 2.調査
  1 回送
  2 試運転
  3 臨時
  4 月光 新大阪
  5 みどり 大分
  6 みどり 新大阪
  7 月光 博多
  8 金星 名古屋
  9 つばめ 熊本
 10 つばめ 名古屋
 11 金星 博多
 12 はと 博多
 13 はと 新大阪
 14 明星 熊本
 15 明星 新大阪
 16 有明 西鹿児島
 17 有明 博多
 18 有明 門司港

 S43.10改正後の内容で、すでに鹿児島電化を控えて「有明」が用意されている。
S42.10の登場後、S43.10で485に置き換えられた「みどり」が残っている。S43.10前に 「金星」以下の列車の設定があったかどうかは不明だが、4->5->6->7で運用が1巡する 様になっていた様である。S43.10改正後は、 8->9->10->11->4->12->4->12->13->14->15->7->13->7(->8...)で1巡することになる。



S45.10.調査
※ 1 [
※ 2 しおじ 下関
※ 3 しおじ 新大阪
  4 月光 新大阪
※ 5 きりしま 西鹿児島
※ 6 きりしま 京都
  7 月光 博多
  8 金星 名古屋
  9 つばめ 熊本
 10 つばめ 名古屋
 11 金星 博多
 12 はと 博多
 13 はと 新大阪
 14 明星 熊本
 15 明星 新大阪
 16 有明 西鹿児島
 17 有明 博多
 18 有明 門司港

 S45.10鹿児島電化後の内容で、「きりしま」と「しおじ」が追加され、「みどり」 と回送、試運転、臨時が消えて白幕が1つのみとなった。581/583系の方向幕は20コ マ設定できることになっているが、両端は予備となっており、すでに一杯の状態であ る。この時が各列車上下別でコマを持っていた最後であり、また、この時から15年も の間、回送、試運転のコマなしで運用されることになる。空いたコマに追加で入れて いるので、すでに運用に合わせたコマ振りは不可能になっていた。



S47. 3.調査
  1 臨時
  2 つばめ 岡山←→博多
  3 つばめ 岡山←→熊本
  4 きりしま 京都←→西鹿児島
  5 きりしま 下関
  6 月光 岡山←→西鹿児島
  7 月光 岡山←→博多
  8 金星 名古屋←→博多
  9 [
 10 しおじ 新大阪←→広島
 11 有明 博多←→西鹿児島
 12 有明 門司港←→西鹿児島
 13 明星 京都
 14 明星 熊本
 15 明星 新大阪
 16 明星 博多
 17 しらさぎ 名古屋
 18 しらさぎ 富山

 S47.3新幹線岡山開業後の内容で、全面的に変更となっている。この時からついに 1列車上下共用のコマが登場し、単独なのは「明星」と本改正で登場した「しらさぎ」 のみとなっている。運転区間がまちまちな「明星」はともかく、「しらさぎ」(名古屋 −富山間1往復)が単独になったのか不思議である。また「きりしま 下関」のコマ が興味深い(なぜに用意されたのか不明)。問題があったのか、臨時のコマが復活し、 白幕も9番に設定されている。調査はないが、S48.10改正で、「つばめ」は博多行が 西鹿児島行となり、「きりしま」も新大阪行に変更されているので、両列車の方向幕 に変化があったと思われる。583系の全盛期の頃の内容である。この改正から「金星」 「しらさぎ」と、一部列車に運用される車は運用が分離されたが、方向幕は共通とさ れた。



S50.12.調査
  1 [
  2 しらさぎ 名古屋
  3 しらさぎ 富山
  4 彗星 京都
  5 彗星 新大阪
  6 彗星 大分
  7 彗星 宮崎
  8 金星 名古屋←→博多
  9 なは 新大阪←→西鹿児島
 10 明星 西鹿児島
 11 [
 12 明星 京都
 13 明星 博多
 14 明星 熊本
 15 明星 新大阪
 16 有明 門司港←→西鹿児島
 17 有明 博多←→西鹿児島
 18 有明 小倉←→西鹿児島
 19 [
 20 [

 S50.3新幹線博多開業後の内容で、再び全面的に変更となった。伝統の「つばめ」な ど、昼行列車は軒並み廃止となり、583系の活躍の舞台は夜行中心となり、「きりしま」 改め、昼行から夜行になった「なは」と、再び日豊本線に乗り入れて「彗星」も一部 担当することとなった。「有明」も小倉行が追加されている。設定のない「明星」熊本 行と、「彗星」京都行が用意されていたが、これはそのまま使われることはなかった。 臨時のコマが再びなくなったのと、18コマから20コマ制御に拡張されたことが目につ く。この改正で583系は南福岡電車区から向日町運転所に転属となった。



S54. 7.調査
  1 [
  2 しらさぎ 名古屋
  3 しらさぎ 富山
※ 4 雷鳥 金沢←→大阪
  5 彗星 新大阪
  6 彗星 大分
  7 彗星 宮崎
  8 金星 名古屋←→博多
  9 なは 新大阪←→西鹿児島
 10 明星 西鹿児島
※11 なは 京都←→西鹿児島
 12 明星 京都
 13 明星 博多
※14 雷鳥 富山←→大阪
 15 明星 新大阪
 16 有明 門司港←→西鹿児島
 17 有明 博多←→西鹿児島
 18 有明 小倉←→西鹿児島
 19 [
 20 [

 S53.10改正後の内容で、先頭の列車名表示幕は絵入りとなったが、側面は運用に合わ せた変更にとどまった。前述の設定のない列車のコマが、本改正から新たに受け持つ様 になった「雷鳥」のコマに変更されたのと、廃止された「明星」の代わりに「なは」が 京都行となった為に追加されている。改正の前後で交換する為か、前面の絵入りマーク と共に本改正で廃止された「しらさぎ」が残っている。運用変更により、「金星」は再 び共通運用となり、「雷鳥」は耐寒耐雪強化工事車の分離運用となったが、方向幕はそ のまま共通とされた。



S55.10.調査
  1 [
※ 2 にちりん 小倉←→宮崎
※ 3 にちりん 博多←→宮崎
  4 雷鳥 金沢←→大阪
  5 彗星 新大阪
  6 彗星 大分
  7 彗星 宮崎
  8 金星 名古屋←→博多
  9 なは 新大阪←→西鹿児島
 10 明星 西鹿児島
 11 なは 京都←→西鹿児島
 12 明星 京都
 13 明星 博多
 14 雷鳥 富山←→大阪
 15 明星 新大阪
 16 有明 門司港←→西鹿児島
 17 有明 博多←→西鹿児島
 18 有明 小倉←→西鹿児島
 19 [
 20 [

 S55.10改正後の内容で、夜行列車が廃止される一方、新たに「にちりん」を受け持つ ことになり、追加されている。このうち「彗星」大分行、「明星」京都、西鹿児島行、 再び新大阪発着に戻されて「なは」の京都行、「有明」の門司港行のコマは使用され ていない。



S57.11.調査
※ 1 立山 富山←→大阪
  2 にちりん 小倉←→宮崎
  3 にちりん 博多←→宮崎
  4 雷鳥 金沢←→大阪
  5 彗星 新大阪
※ 6 [
  7 彗星 宮崎
  8 金星 名古屋←→博多
  9 なは 新大阪←→西鹿児島
 10 明星 西鹿児島
※11 銀河 東京←→大阪
※12 銀河 品川←→大阪
 13 明星 博多
 14 雷鳥 富山←→大阪
 15 明星 新大阪
 16 有明 門司港←→西鹿児島
 17 有明 博多←→西鹿児島
 18 有明 小倉←→西鹿児島
 19 [
 20 [

 S57.11上越新幹線開業後の内容で、さらに夜行の「金星」「明星」が廃止され、 残るは「なは」「彗星」と、「有明」「にちりん」のみとなった。また、「雷鳥」 も2往復となったが、代わりに季節列車ながら急行「立山」に運用されることに なり、583系の転身が進められる様になった。同時に急行「銀河」への運用も検討 されていたらしく、前面に絵入りマークの「銀河」と一緒にコマが用意されていた が、実現することはなかった。そしてS59.2改正で583系は山陽・九州路の運用がな くなり、同時に近郊型に改造されて転身していった。残りは「雷鳥」「立山」に細々 と生き延びることとなった。



S60. 3.調査
  1 立山 富山←→大阪
※ 2 庄内 酒田←→新潟
  3 [
  4 雷鳥 金沢←→大阪
※ 5 [
※ 6 きたぐに 新潟←→大阪
※ 7 [
※ 8 白鳥 青森←→大阪
※ 9 [
※10 [
 11 銀河 東京←→大阪
 12 銀河 品川←→大阪
※13 [
 14 雷鳥 富山←→大阪
※15 [
※16 回送
※17 試運転
※18 臨時
 19 [
 20 [

 S60.3改正後の内容で、ついに定期「雷鳥」からも撤退、583系は「立山」も廃止と なり、代わりにわずか1往復急行「きたぐに」に残ることとなった。白幕も増え、寂 しい限りである。「きたぐに」と共に15年ぶりに回送、試運転のコマが復活した。ま た、季節列車として「きたぐに」の間合いで急行「庄内」が夏臨から登場したが、す でにコマが準備されている。臨時「雷鳥」に運用される為、そのコマも残ることにな るが、さらに「白鳥」が異常時に運転する可能性があったのか用意されている。



S62. 8.調査
  1 立山 富山←→大阪
  2 庄内 酒田←→新潟
※ 3 シュプール妙高・志賀
  4 雷鳥 金沢←→大阪
  5 [
  6 きたぐに 新潟←→大阪
  7 [
  8 白鳥 青森←→大阪
  9 [
 10 [
 11 銀河 東京←→大阪
 12 銀河 品川←→大阪
 13 [
 14 雷鳥 富山←→大阪
 15 [
 16 回送
 17 試運転
 18 臨時
 19 [
 20 [

 JR化後の内容で、この年のシーズンから西日本でもシュプール号が運転され、それに 使用されることになり、コマが追加されている。「シュプール妙高・志賀」から、列車 名表示だけのコマが増えていくことになる。



H 2. 4.調査
  1 立山 大阪←→富山
  2 庄内 酒田←→新潟
  3 シュプール妙高・志賀
  4 雷鳥 金沢←→大阪
※ 5 シャレー軽井沢
  6 きたぐに 新潟←→大阪
  7 [
  8 白鳥 青森←→大阪
  9 [
 10 [
 11 銀河 東京←→大阪
 12 銀河 品川←→大阪
 13 [
 14 雷鳥 富山←→大阪
 15 [
 16 回送
 17 試運転
 18 臨時
 19 [
 20 [

 平成元年の夏から「シャレー軽井沢」が運転されることになり、コマが追加されてい るが、同時に誕生した「東北夏祭り」のコマはない。臨時で運転されていたと思われる。



H 4. 5.調査
  1 立山 富山←→大阪
  2 庄内 酒田←→新潟
  3 シュプール妙高・志賀
  4 雷鳥 金沢←→大阪
  5 シャレー軽井沢
  6 きたぐに 新潟←→大阪
※ 7 TAPエクスプレス 富山←→姫路
  8 白鳥 青森←→大阪
  9 [
※10 雷鳥 金沢←→神戸
 11 銀河 東京←→大阪
 12 銀河 品川←→大阪
※13 雷鳥 富山←→神戸
 14 雷鳥 富山←→大阪
※15 雷鳥 福井←→大阪
 16 回送
 17 試運転
 18 臨時
 19 [
 20 [

 H 3春から夏にかけて「TAPエクスプレス」が運転されたので、追加されている。同時 かどうかは不明だが、神戸行や福井行の「雷鳥」も検討されていた(一部列車で神戸発 着の列車もあった。)らしく、コマが用意されている。

H 5.12.調査
  1 回送
  2 試運転
  3 臨時
  4 [
  5 急行
  6 シュプール
  7 シュプール妙高志賀
  8 ナインドリーム甲子園 甲子園口
  9 シャレー軽井沢
 10 東北夏祭り
 11 きたぐに 新潟
 12 きたぐに 大阪
 13 雷鳥 大阪
 14 雷鳥 富山
 15 雷鳥 金沢
 16 雷鳥 福井
 17 雷鳥 神戸
 18 越後 新津
 19 [
 20 [

 現時点での方向幕の内容である。定常的に使われる臨時列車が増えてきた為、S50以 来の全面変更となった。(内容的にはすでに全面変更に近かったが)妙高・志賀以外の シュプールや、ナインドリーム(列車ホテル)のコマも用意された。「銀河」「白鳥」 の設定がなくなったのは残念である。H 6春から老朽化した20系客車に代わり、「あお もり」に運用されることになったが、コマが用意されてない為、臨時で運転されている。 「あおもり」にはほぼ確実に運用される為、追加される可能性は高い。これにより 「シャレー軽井沢」と「越後」、「ナインドリーム甲子園」の設定がなくなり、せっか く用意したコマも数度使われただけで必要がなくなってしまったのはなんとも残念であ る。また、向日町運転所から始発駅に回送される列車の経路により編成の向きが反転す ることもあってか、登場時以来の上下別行き先の方向幕に戻っている。



                            解説:佐藤 哲也
            方向幕データ提供:名古屋大学鉄道研究会方向幕調査委員会
                     NIFTY-Serve 鉄道フォーラム